事業資金を調達するための鍵となる書類である「事業計画書」
事業計画書は、企業の存在意義を明確にし、企業を取り巻く環境や進むべき方向性を示すものであり、また、銀行から融資を受ける場合や、投資家などから資金調達をする際には必ず求められる非常に重要になってきます。
この記事では事業計画の基礎知識と書き方、注意点についてわかりやすく解説していきます。
作成参考動画
このブログの内容を基に下記の動画で僕ら「都会のサバイバル」でも事業計画書を作成しています。
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事業計画書とは
事業計画書とは、企業の事業内容や戦略、収益の見込みなどを説明する資料です。
事業計画書が明確に細かく作成されていれば、資金提供者へのアピールとなり、資金調達に成功する可能性が上がります。
事業計画書の目的
事業計画書の目的は、企業が金融機関や投資家などに提示して、資金調達を行うことです。
資金調達の種類としては、返済義務のある「借入(融資)」と、返済義務のない「出資・投資」に分かれます。
いずれにしても、企業が自分達のビジネスをわかりやすく、そして思いがこもった事業計画書を作らなければ資金調達は得られません。
金融機関からしても将来の返済能力が期待できない企業にお金は貸しませんし、投資家も成長が見込めない企業や事業に出資したいとは思いません。
事業計画書にテンプレートはあるのか
事業計画に決まった様式はありません。
「創業融資freee」や「Scheeme」などステップに沿って入力すれば簡単に自動作成してくれるものもありますが、できるだけ費用を抑えたいという方は、無料でダウンロードできるフォーマットがネットで検索すると出てくるので、ここから始めてみてもいいでしょう。
事業計画書の内容
では、事業計画書の内容について解説していきます。
①企業情報と事業内容
◆社会的役割(目的):「事業を通じてこのようにお客さまに喜んでほしい」「こんな社会にしたい」という情熱や思いが伝わる内容を簡潔に記載しましょう。
◆ミッション:その事業を通して何を成し遂げたいのか、社会に対してどういった価値を提供するのか。
◆ビジョン:「将来こういう企業でありたい」という展望を掲げたもの。
◆バリュー:組織全体が共有するべき価値観、企業理念。
◆チーム及び組織編成:会社概要、メンバー、担当紹介。
②製品やサービス
◆製品内容:提供する製品がある場合は、詳しく記載してください。
◆サービス内容:提供するサービスがある場合は、詳しく記載してください。
◆価格表:各製品やサービスの価格を記載してください。価格の内訳や詳細も明記すると良いでしょう。
③市場分析
◆ターゲット市場:ターゲットとする市場とその理由を簡潔に記載してください。
◆バイヤーペルソナ(理想的な顧客人物像):バイヤーペルソナとは、市場調査の結果や既存顧客の実際のデータに基づいて作成された、推論を含む理想的な顧客の人物像のことです。理想の顧客像として、バイヤーペルソナの概要を記載してください。
◆ロケーション分析(立地の選択理由とメリット):立地を選択した理由と期待できるメリットについて記載しましょう。
◆競合上の強みと弱み、対抗ポイント:自社の強み・弱みと競合への対抗ポイントを示します。
④マーケティング計画
◆ポジションニング戦略:潜在顧客が自社の製品やサービスに関心を持つ理由を想定し、記載してください。 また、バイヤーペルソナが抱く最大の課題と目標に自社が対応する方法を記載します。
◆顧客獲得チャンネル:主な顧客獲得チャネルを記載してください(検索エンジンマーケティングやブログなど)
⑤営業計画
◆営業手法:どういった戦略で営業を行うのかを簡潔に記載しましょう。
⑥収支計画
◆売上予測:今後の数年分の売上予測を記載してください。
◆損益予測:売上から経費を引いた利益額の予測を記載しましょう。最低でも1年分は説明できるようにしましょう。
◆必要資金:事業を成功させるために直近で必要な資金を記載します。
事業計画作成時の注意点
最後に、事業計画書を作成する際に気をつけておくべき注意点にも触れておきます。
内容は具体的に整合性が取れているか
事業計画書には計画を書くだけでは足りません。資金提供者に理解してもらえるよう、数字や計画以外の情報も盛り込み、分かりやすく説明することが重要です。また事業計画書は膨大な資料になりがちですが、事業を知らない人が読んでも分かりやい内容に仕上げるように、グラフなどを利用して簡潔に記載し、整合性が取れているかも気をつけましょう。
競合についてきちんと書く
競合他社の調査もとても重要です。競合についての内容がない場合、「ちゃんと考えられているか疑わしい」と捉えられてしまうこともあります。
市場調査も重要です。参入しようとしているマーケットの中で、自社はどのターゲット層を狙っているのか、どのくらいの収益を目指しているのかを明確に説明します。それを踏まえて自社の特徴や強みを説明できれば説得力が増すでしょう。
数値や目標には根拠を持って書く
事業計画書に示した数値計画の実現性に根拠があるのかを、データなどを利用し、できるだけ具体的に記載しましょう。
いかがでしたでしょうか。
事業計画書を作るのは難しそうと思うかもしれませんが、しっかりとした根拠や計画性のある事業計画書を作成することで、資金を調達できる可能性が高まります。
また、事業計画書を作り、自社の目的や方向性についてあらためて検討することで、創業者の思考を整理することができるのではないでしょうか。
今回書いた内容が資金調達の成功に少しでも役立てたら幸いです。